夏の終わりと冬のはじまり
私は 冬の はじまり で
君は 夏の おわり。
夏が大嫌い。
だって、冬は厚着さえすれば暖かいのに、夏は全裸になっても暑いのよ?
耐えられない。
ただ、外の茹だるような暑さから逃げるように喫茶店に入った時の空気の冷たさが、とても心地よいのは知っている。
日本海側の夏は、なんだか湿気ていて、執着されそうな暑さだ。
とくに、夏の終わりの方は、ずっと喉が詰まるような感覚がする。
でもね、明日からは冬がはじまるの。
私の大好きな冬。
雨雲のない寒空で、影が薄く伸び、空気は澄んでいる。
降水確率は、40%
マフラーに鼻の先まで埋めるのが好きで、冷え性の私は、手先がとても冷たくなるけど
缶コーヒーをころころ転がしながら暖まるのが気持ちいい。
夏の終わりと、冬のはじまりはリンクしていて気まぐれに交代する。
湿った空気と、澄んだ空気。
似ているようで、まるでちがう。
目を瞑りたくなるような恐怖を。
大声で搔き消してしまいたくなるような現実を。
頭の中で反響する言葉がある。
それを探し出して、捕らえて、殺害する。
永遠のループを断ち切って。
また夏の終わりがやってくる。